メイプル会計事務所では以下の15のサービスを提供しております。
各サービスの詳細は下記サービス項目をクリック(タップ)してご確認ください。
税務業務のメインは、会社の代わりに税金を計算、そして申告書を作成し、それを税務署に提出することです。
税金の計算等は会計期間の1年が終わったあとに行うものですが、その作業がスムーズに進むようにするために、年間を通じて、適正な会計処理が行われているか確認したり、税金や会計、経理に関する質問にもお答えいたします。また税務調査が行われる場合には、調査に立ち会います。税務業務こそが会計事務所の主たる業務です。
税務業務においては税務顧問契約を結ばせて頂き、顧問報酬としての月額報酬と決算時の税務書類作成の報酬が必要となります。税務業務のメイプル会計事務所における最低月額報酬と最低決算時報酬は下記の表をご覧ください。
最低月額報酬 | 最低決算時報酬 | |
個人事業 (自営業) | 1万円 | 月額報酬の 3ヵ月分 |
法人 | 1万円 | 月額報酬の 6ヵ月分 |
税務調査立会い | 1日あたり3万円 |
ただし報酬額は、取引数、会社の規模、所得の種類、税金の種類によって様々ですので、面談時に見積りのご依頼がありましたら、資料を拝見させて頂いたうえで見積りを出させて頂きます。
会計業務は、会社の代わりに経理業務を行って、日々の取引を会計ソフトに入力して決算書を作成する業務です。記帳代行業務とも言います。
取引のボリュームにもよりますが、通常は1か月単位で領収書、請求書、納品書、通帳のコピーなどをお預かりさせて頂いて、それを基に会計ソフトへの入力を行います。お客様のほうで会計業務はできるということであれば、会計業務は依頼せず税務業務のみを依頼するということになります。
会計業務においても月々の会計処理に要する月額報酬と決算時の処理に要する決算時報酬が必要となります。会計業務のメイプル会計事務所における最低月額報酬と最低決算時報酬は、
最低月額報酬 | 最低決算時報酬 | |
個人事業 (自営業) | 1万円 | 月額報酬の 3ヵ月分 |
法人 | 1万円 | 月額報酬の 6ヵ月分 |
ただし報酬額は、取引数、会社の規模、事業の複雑さ等によって様々ですので、面談時に見積りの依頼がありましたら、資料を拝見させて頂いたうえで見積りを出させて頂きます。
給与計算は、会社の代わりに従業員のみなさまの給与計算を行うものです。
給与計算においても、控除する所得税の計算や住民税、健康保険料、介護保険、厚生年金、雇用保険などといった様々な控除項目があるので、税金や社会保険の知識が必要となります。また、手計算では非常に手間がかかるので、給与計算ソフトの導入も必須となりますし、専用の人員を配置する必要もあります。そのため会社にとっても負担の大きな業務となるので、給与計算も会計事務所に任せるということが多々あります。
給与計算の報酬は、月額基本料金と人数による報酬(単価×人数)及び初期設定費用が必要となります。メイプル会計事務所における最低月額基本料金と最低人数単価は、
最低月額基本料金 | 最低人数単価 |
1万円 | 1,000円 |
ただしこちらも会社の規模や報酬形態の複雑さなどで大きく異なりますので、面談時に見積りのご依頼がありましたら、資料を拝見させて頂いたうえで見積りを出させて頂きます。
年末調整とは、従業員の方の所得税について年末に精算する手続きです。
従業員の方に給料を支払う際に、毎月源泉徴収を行って(所得税を預って)、それを税務署に納めていますが、それはあくまでも仮計算に過ぎません。毎月毎月は仮計算を行って、年末に正確な計算を行う必要があります。これが年末調整です。
年末調整においては様々な所得控除(例えば生命保険料控除)や税額控除(例えば住宅ローン控除)があるので、やはり税金の知識が必要となります。給与計算は自社で行うが、年末調整は会計事務所に依頼するというケースも多いです。
年末調整の報酬は、基本料金と人数による報酬(単価×人数)が必要となります。メイプル会計事務所における基本料金と最低人数単価は、
最低月額基本料金 | 最低人数単価 |
1万円 | 2,000円 |
ただしこちらも会社の規模や報酬形態の複雑さなどで大きく異なりますので、面談時に見積りのご依頼がありましたら、資料を拝見させて頂いたうえで見積りを出させて頂きます。
お金は会社経営の血液と言われています。一瞬たりとも資金の流れが滞ると会社は倒産の危機に瀕することになります。そのため会社は資金管理には、最大限の注意を払い管理する必要があります。資金管理には、資金調達、資金繰り表の作成、キャッシュ・フロー計算書の作成があります。
資金調達は、起業時はもちろんのこと、多額の設備投資を行う際や運転資金がショートしそうな際に行います。資金調達先として、銀行、信用金庫、国民生活金融公庫と様々な選択肢がありますが、会社が置かれている状況から、どこから調達するのが良いかのアドバイスをさせて頂きます。また、資金調達時には今後の売上予測などを作成し金融機関に提出する必要があるので、そういった書類の作成や作成にあたってのアドバイスをさせて頂きます。
資金繰り表とは、今後の資金の流れの予定表です。資金繰り表を作成していれば、どの時点で資金が足りなくなってしまうのかを把握できるので、資金管理に役立ちます。例えば、資金繰り表を作成することで、「どうやら半年後には資金がショートしそうだな!」ということがわかるので、それに備えて資金調達を行うタイミングを考えることができるのです。あるいは多額の設備投資を行う際に資金繰り表を作成しておけば、設備投資を実施したものの、その後、お金が足りなくなったなどという不測の事態を防ぐことができます。資金繰り表については、作成や作成のお手伝いをさせて頂きます。
資金管理上、資金繰り表の他にキャッシュ・フロー計算書という書類もあります。資金繰り表が将来の資金の流れの予定表であるのに対して、キャッシュ・フロー計算書は実際にどのような資金の出入りがあったのかを表したものです。上場企業にはキャッシュ・フロー計算書の作成義務があるのですが、中小企業においては作成義務がないのでキャッシュ・フロー計算書を作成していない会社も多いです。しかしキャッシュ・フロー計算書があれば、やはり資金管理に役立つので、キャッシュ・フロー計算書の作成のご要望があれば、承ることもできます。
報酬については、会社の規模や資金管理サービスの内容の範囲にもよりますので、税務顧問契約後にご要望があれば、見積りを出させて頂きます。
予算編成とは、次年度の計画を立てることです。
次年度の決算書の数値目標を立てて、それを全社的な目標とするわけです。会社を運営していくうえで、進むべき目標が定まっていなければ、どこに向かって歩んでいけばいいかわからなくなってしまうので、予算を作成する必要があるのです。例えば、予算がない状態で会社を運営するということは、行ったこともない街で地図もないまま目的地を探すようなものなのです。
また会社の運営は、PDCAサイクル「Plan(計画)・Do(実行)・Check(測定・評価)・Action(改善)」を回していくものだと言われています。すなわち、年度の始めに計画を立てて、それを実行し、1年が終わったらそれを計画に沿って行えたかをチェックし、その結果を次年度に役立てていこうというものです。予算編成はPDCAサイクルのなかで、Plan(計画)に相当するものなので、会社運営上、欠かすことができないものと言えます。
予算を作成する際には、前年度の決算書の数値がベースとなるので、自社内で経理を行っていないと作成が難しいですし、自社内で経理を行っていても予算を作成する手法が必要となるので、中小企業などでは会計事務所と経営者が協議して、その結果を会計事務所のほうでまとめて、予算として作成することがあります。
予算編成の報酬も、会社の規模や資金管理サービスの内容の範囲にもよりますので、税務顧問契約後にご要望があれば、見積りを出させて頂きます。
予算実績差異分析とは、予算の数値と実際の数値がなぜ異なってしまったのかを分析することです。
例えば、売上高が予算と比べて実際のほうが100万円少なかったとします。そこで、その原因を分析するわけです。例えば、当期は1,000個製品を販売しようと思っていたのに950個しか売れなかったから売上高が減少したとか、あるいは、1個当たり10,000円で販売しようと思っていたのに9,800円でしか売れなかったから売上高が減少してしまった、という具合に原因分析します。そうすることによって、今年度の反省点などを次年度に活かしていくことができるのです。
中小企業でも予算を立てている会社はそれなりに多いと思いますが、予算実績差異分析までしっかり行えている会社は少ないのではないかと思います。ですが予算実績差異分析を行えば、それを次年度に活かすことによって、売上を伸ばし経費を削減し、結果として利益を増やすことができるのです。今後も中小企業のままでいるのか、あるいは、大企業としての第一歩を踏み出すのかの境目になるのが、予算実績差異分析を行っているか否かだと言っても過言ではないと思います。
なお予算実績差異分析は、予算編成のところで述べたPDCAサイクルのCheck (測定・評価)に当たる部分です。
予算編成の報酬も、会社の規模や資金管理サービスの内容の範囲にもよりますので、税務顧問契約後にご要望があれば、見積りを出させて頂きます。
中期経営計画とは、3年~5年単位で会社の目指すべき姿を決算書の数値で示したものです。
今後会社の目指すべき方向性を示したものなので、中期経営計画によって従業員の方と目標を共有することができ、気持ちを鼓舞することができるのです。また、銀行などの外部利害関係者に対して、自社の将来を説明することもできます。
中期経営計画には数値目標だけでなく、経営理念、自社を取り巻く外部環境、自社が抱える内部環境、経営戦略なども記載しますので、それなりのヴォリュームがあり、また作成には社内の人員だけでなく会計事務所やコンサル会社の力を借りることも多々あります。メイプル会計事務所でも、お客様のご要望に応じて、中期経営計画作成のお手伝いをさせて頂くこともできます。
報酬については、お取引開始後にご確認ください。
会社がそれなりの規模になってきたら、これまで会計事務所に依頼していた会計業務を内製化して、会社内部に経理部門を設けて自社内で経理を行っていくことがあります。
これまで経理部門がなかったわけですから、一から仕組みを考えていく必要があります。その際、これまで会計業務を請け負っていた会計事務所がその会社の経理の仕組みを最も理解しているわけですし、一般的な経理部門の仕組みも熟知しているので、経理を内製化する際のコンサルティングを行うことができます。
また経理を内製化する際には、経理だけでなく総務や人事といったバックオフィス全般を構築することが多いですから、他の専門家とも協力して、バックオフィス全般の立ち上げに協力させて頂くこともできます。
報酬については、お取引開始後、そろそろ経理内製化を考えようと思った際にご相談下さい。
監査業務には公認会計士としての会計監査と会社の役員としての監査役があります。
通常、公認会計士(監査法人)による監査が必要となるのは、株式を上場している会社や会社法上の大会社(資本金が5億円以上もしくは負債の合計額が200億円以上)となります(いわゆる法定監査)が、それ以外にも任意監査というものもあります。
任意監査は銀行や投資家などの求めに応じて、会社が自主的に監査を受けるというものです。任意監査を受けることによって、会社の決算書の信頼性を高めることができます。それ以外にも内部統制を整えることができたり、経理部門の業務改善や強化を図ることができます。任意監査は個人の公認会計士でも引き受けることができるので、メイプル会計事務所でも対応可能です。
なお、法定監査の場合は、一般的に公認会計士がチームを組んで監査を行うことになるので、個人の公認会計士ではなく監査法人が対応することになります。法定監査のご依頼があれば、繋がりのある監査法人を紹介させて頂きます。
会社の役員としての監査役は、就任した会社の業務活動全般が法令や規則に従って行われているかをチェックする業務監査と財務諸表(決算書)が適正に作成されているかをチェックする会計監査があります。
一般的に監査役は会計監査の必要性から、会計の専門家である公認会計士や税理士が就任することが多いと言われています。メイプル会計事務所代表の南も、有名出版社の社外監査役を長年務めているので、社外監査役就任のご依頼があればご連絡ください。
個人の確定申告には、事業を行っている方の事業所得だけでなく、
- 不動産を所有して賃貸している方の不動産所得
- 株式投資を行っている方の譲渡所得
- 年金を受給している方の雑所得
など、様々です。メイプル会計事務所でもこのような所得の確定申告にも対応しております。
相続税の確定申告についても承っておりますが、遺産額が高額であるとか、遺産の種類が多岐にわたる場合には、専門性が高まることもあるので、そういった場合は、相続税専門の税理士や会計事務所を紹介させて頂きます。
会社内で経理部門を設けて会計業務を行っていく場合には、経理スタッフが複式簿記の知識を持っていることが必須となります。
経理責任者や会計事務所のフォローがある環境下であれば、経理スタッフの複式簿記の知識は、日商簿記検定試験2級くらいまであれば十分だと思います。メイプル会計事務所の設立母体は、25年以上に渡って簿記教育を行っている「簿記の教室メイプル」ですので、顧問契約先の経理スタッフの方の簿記研修を行うこともできます。
具体的には簿記3級、簿記2級、経理実務の研修を実施します。顧問先の経理スタッフの方であれば、年間1名様までは無料で、それ以上の人数の受講についても通常受講料よりも大幅に割引して受講できるようにさせて頂きます(受講スタイルや期間などについては諸条件あり)。詳しくは顧問契約後にご確認下さい。
会社も大きく成長して、社内の経理スタッフも増えてきたら、経理部門を取りまとめる経理責任者が必要となってきます。
経理責任者には、経理スタッフの教育、管理、指導などが求められますが、銀行との交渉や資金管理、予算管理、会計事務所対応、さらには監査法人とのお付き合いも始まってくると監査法人対応なども必要になります。
これらの業務をこなすには、簿記会計についてはもちろんのこと、税務や経営管理についても知識を持っておく必要があります。簿記会計について言えば簿記1級の知識は最低限必要で、それにプラスして資金管理、予算管理、税務の知識なども必要になります。メイプル会計事務所では、このような知識を学ぶ経理責任者養成研修も提供させて頂きます。詳しくは顧問契約後にご確認下さい。
会社の成長は経営者の経営管理能力によると言っても過言ではありません。一昔前くらいまでは決算書が全く読めないという経営者も少なくなったのですが、さすがに最近では減ってきたと思います。経営者が決算書を全く読めないとなると経営など行いようがありません。
会社経営において決算書は、大海原を航海する羅針盤のようなものです。経営意思決定上、大事な情報が決算書には詰まっているわけですから、決算書を読めないと会社が荒波に飲み込まれてしまいかねないのです。決算書そのものは会計事務所や経理スタッフが作成してくれると思いますが、それを読み込んで経営に活かすのは経営者の役割です。
メイプル会計事務所では、決算書の読み方をはじめ、資金管理や予算管理についても経営者が最低限知っておくべきことを研修という形で提供させて頂きます。詳しくは顧問契約後にご確認下さい。
成長段階における留意点・サービス
会社や事業が成長する段階に合わせた税務会計や経営に関する留意点とメイプル会計事務所が提供できるサービスについて説明します。
- ステップ1起業前に
起業前は夢や希望に向けてワクワクしていると思いますが、同時にやらなければならないことも山ほどあります。とにかく売上を上げなければ商売を続けることができませんから、商品を売ることで頭がいっぱいだと思います。その他にも、
- 店舗や事務所をどこにするか
- 仕入先はどこにするか
- 資金調達はどのように行うか
- 起業とともに従業員を雇うのであれば採用活動をどうするか
- 広告宣伝はどうするか
などなどです。
ですが、税務署へ提出する開業届をはじめとして、起業前後で書類を作成して提出しなければならないものが数多くあります。期限が定められているものも多いので忘れることなく準備する必要があるのですが、起業慣れしている方などいらっしゃらないので、自身で漏れなく準備することは至難の業だと思います。
ですから起業前に会計事務所に相談して、ある程度、力を借りたほうがストレスも減りますし、のちのちには絶対に良かったと思えます。
起業する時点では、資金繰りの心配もあって、会計事務所への依頼を後回しに考える方も多いのですが、それが故に税務上の特典を受けられなくなって、不利益を被った経営者の方がたくさんいます。まずは商売を軌道に乗せるために経営者の方には商売に専念し、会計事務所に任せられるものは、任せるべきだと思います。
あと起業にあたって自己資金だけで賄えない場合は、金融機関から資金調達を行う必要があります。一般的に開業資金は借りやすくはありますが、金融機関によって手続きの手間が違ったり、融資までの時間に長短があったり、融資額が変わってきたりします。起業時の資金調達で躓かないためにも、知見のある会計事務所にアドバイスを求めたほうが良いと思います。 - ステップ2起業したら
起業した直後から、待ったなしでいろんな取引が始まっていくので、日々の取引を記帳するという会計業務が必要になります。起業直後も経営者は商売に専念するために、会計業務は会計事務所に任せたほうが良いです。
また起業直後は売上高もなかなか上げられないと思いますが、家賃や光熱費といった経費はどんどん出ていってしまいます。起業時に運転資金を十分に確保していないと、あっという間に(早ければ1、2ヵ月で)資金ショートしてしまいます。ですから、資金繰り表をしっかりと付けて資金の流れや予想残高を把握しておき、万が一に備えて、追加の借入先を見つけておくと良いです。 - ステップ3従業員を雇ったら
起業してからずっと一人で事業を営んでいても、事業が成長してくると自分一人では回らなくなってくるので、従業員を雇うことになります。
従業員を雇ったら給料が発生するので、給与計算が必要となります。経営者が給与計算をすると、その分だけ労働時間が割かれることになります。給料の支払いが発生したということは、今まで以上に稼がなければなりません。なので経営者の貴重な労働時間は、引き続き、本業に専念して給与計算は会計事務所に任せたほうが賢明です。
給与計算に伴って年末調整も必要になるので、この時点では合わせて会計事務所に任せることが多いです。なお、給料の支払いが発生すると社会保険の手続きも必要となるので、社会保険労務士との付き合いも検討する必要があります。
また、従業員を雇ったことがある経営者の多くが口にすることですが、給料の支払いが発生すると途端に資金繰りが苦しくなるものです。従業員を雇った当初は、まだ仕事にも慣れず、そこまで売上に貢献できません。つまり従業員を雇ったので給料の支払いは発生するものの、売上はそこまで増えないものです。
ですから、資金管理にも注意を配る必要があります。つまり資金がショートすることはないかを確かめるために資金繰り表を作成し、万が一に備えて資金調達の手段を考えておくことが大事です。 - ステップ4売上高1千万円超えたら
事業も順調に成長し売上高が1千万円を超えたら、会社も無事に離陸できたと言えるでしょう。経営者としても一安心といったところです。
ですが、売上高が1千万円を超えたら消費税の課税事業者となり納税義務が生じます。インボイス制度などにより1千万円に満たなくても消費税を納税することもありますが、売上高が1千万円を超えたら消費税の納付は必須となります。
ただし正確には売上高が1千万円を超えた再来年度から納税義務が生じるので、時間的な余裕は多少あります。消費税を納付するということは、消費税額を計算し、申告書を作成し、税務署に提出する必要があります。よって、これまでの税務業務の法人税、住民税、事業税の他に消費税も増えることになります。もちろん消費税の納付により資金も流出するので、今まで以上に資金管理が重要になります。消費税の納付が始まって、資金繰りが行き詰まったという話も、中小企業ではよく聞く話です。 - ステップ5売上高5千万円超えたら
売上高が1千万円を超えたら、消費税の納税義務が生じると言いましたが、この時点では簡易課税という簡便な方法で消費税額を計算することができるとされています。しかし売上高が5千万円を超えたら、本則課税という本来の正式な方法で消費税額を計算する必要があります。
またここまでは勢いで商売を伸ばせてきたかもしれませんが、この辺りからは徐々に経営管理手法を学び、いわゆる経営をちゃんとやっていかないといけないと思います。経営管理の第1歩としては、やはり予算を作ることです。ですから、この辺りから予算編成も会計事務所と協力して作成していくと良いでしょう。 - ステップ6売上高1億円超えたら
売上高1億円超えは、会社経営の最初の目標だと思います。業種にもよりますが、会社を作ったからには、やはり1億円超えの売上高は達成したいと考える経営者が多いものです。
売上高が1億円を超えたのであれば、もう十分会社としての体をなしていると言えます。ですからこの辺りで経理や人事を内製化しても良いのではないかと思います。
会計業務を内製化したら、会計事務所にお願いしていた会計業務は卒業ということになります。ただし会計業務の内製化は会計事務所の手助けなしにはできないものなので、経理を構築し、回り始めるまでは、経理内製化のサービスが必要になります。また自社のスタッフで経理を行っていくことは複式簿記の知識も必要となるので、経理スタッフ研修も受けられると良いかと思います。
なお経理とともに人事部門も設けたのであれば、給与計算も卒業となります。年末調整に関しては、給与計算以上に税金の知識が必要となるので、人事に余裕ができるまでは会計事務所に依頼しても良いと思います。 - ステップ7売上高5億円超えたら
以前から売上高には5億円の壁があると言われています。私も学生時代のアルバイト先の社長からこの話を始めて聞いて(当時、その会社が売上高5億円弱でした)、その後も何回か売上高5億円の壁については聞いたことがあり、そのような書籍も目にしたことがあります。
売上高5億円までと、5億円を超えてさらに成長するためには、これまでの組織運営を大きく変える必要があると言われています。つまりこれからは家族的経営や以心伝心的経営ではなく、業務フローや承認フローといった内部統制を構築し、それに則って経営しなければ成長は見込めなくなるということです。ですから、経営者としては経営管理に力を入れるべきだと思います。具体的には、予算実績差異分析などを本格的に導入するなどです。
また家族的経営を脱するためにも、身内ではない監査役の就任も検討して良いかと思います。 - ステップ8売上高10億円超えたら
売上高が10億円を超えたら上場も視野に入ってきます。もちろん売上高50億や100億の会社でも上場していない会社もたくさんありますが、上場を目標に会社を立ち上げ会社経営を考えてきたのであれば、いよいよそれが目前に迫ってきたと言っても良いでしょう。
この段階まで来たら、中期経営計画を作成したいものです。中期経営計画を利害関係者への説明として使ったり、従業員の士気を高めるために用いると良いでしょう。
上場を視野に入れたのであれば、証券会社や監査法人の対応窓口となる経理責任者が必要となります。外部から招く場合も多いですが、優秀な人材の獲得となるので、相当魅力的な会社でない限りは採用が難しく、また採用できたとしても高額の報酬が必要となります。社内で経理責任者を育てたいということであれば、経理責任者養成研修で必要なスキルを身に付ければ良いと思います。
また社外役員の登用も検討すべきでしょうし、上場にあたっては監査法人による監査証明も必要となるので、監査法人の選定やお付き合いも必要になってきます。
上場を果たしたら、税務申告も社内で行えるレベルになるので、会計事務所とのお付き合いは卒業して、その後は監査法人とのお付き合いが増えてくると思います。