【第1回】麹町と会計事務所

解説コラム

みなさん、こんにちは!メイプル会計事務所・南伸一公認会計士税理士事務所のみなみです。

メイプル会計事務所・南伸一公認会計士税理士事務所は東京都千代田区麹町に事務所を構えております。そこで、麹町の会計事務所事情や麹町に会計事務所が多い理由、歴史などについて「麹町と会計事務所」と題して、シリーズで考察していきます。是非、お読みください。

第1回目の今回は、麹町の会計事務所事情についてお話しします。

麹町の名前の由来

まず初めに麹町の名前の由来について触れておきます。ご存知の方も多いかと思いますが、こうじまち、と読みます。麹町の名前の由来には3つの説があるそうです。

  1. 「麹」を扱うお店が多かったから
  2. 小路(小さな路地)が多かったから
  3. 府中の国府(こくふ)に向かう国府街道、つまり国府路(こうじ)の入り口だったため

個人的には、漢字まで含めて考えると【説1】のような気がしますが、いろいろと資料を見ていると、どれか一つが根拠ではなく、これらが複合的に絡んで「麹町」という名前になったような印象があります。

麹町ってどこにあるの?

麹町と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

少し前の時代であれば「日テレ(日本テレビ)」という声が多かったのではないでしょうか。いまでこそ、日テレは汐留に移転してしまいましたが、以前は麹町にありました。マスコミで「麹町」というと、「日テレ」を指していたようです。その影響もあってマスコミ業界以外の方でも「麹町」=「日テレ」を想像する方が多かったのでしょう。

日テレが麹町を離れた後は、飛びぬけたランドマークのようなものはありませんが、今は、「皇居に近く大使館や企業の本社があるところ」というイメージをお持ちの方もいらっしゃることと思います。

それではまず、麹町と会計事務所の関係を述べる前に、麹町の場所を見ておきましょう。

麹町は、東京駅に近い、この辺りにあります。具体的には皇居半蔵門から四ツ谷駅手前までの新宿通り(麹町大通り)を中心として、その南北に広がるエリアです。こうやってみると意外と狭いエリアですね。

皇居半蔵門から四ツ谷駅手前までの新宿通りは、ちょうど尾根道のようになっていて、新宿通りを北に進んでも下り坂、南に向かっても下り坂です。ちなみに麹町内には、東京メトロ半蔵門線の半蔵門駅と有楽町線の麹町駅の2つがあります。

麹町を東西に分けると、ちょうど有楽町線で分けることができます。有楽町線の東側が1丁目、2丁目、3丁目(麹町東エリア)で、西側が4丁目、5丁目、6丁目(麹町西エリア)となります。

麹町東エリアを北に下ると番町、南に下ると隼町、平河町となり、さらにその南側に永田町があり国会議事堂などがあります。麹町西エリアを北に行くと(ここは平たんなところもあります)やはり番町、南に下ると紀尾井町があり、さらにその南側には永田町や赤坂見附があります。

麹町の面積は?

麹町の面積を、グーグルマップを使って調べてみました。極めて正確というわけではないですが、およそ324,902平方メートルでした。よく面積の比較で使われる東京ドームが46,755平方メートルなので、麹町の面積は東京ドームの約7個分ということになります。

324,902平方メートル÷46,755平方メートル=6.94~→約7個

これまで意識したことはありませんでしたが、麹町は東京ドームの約7個分と考えると、やはり狭い町だと感じます。

麹町の会計事務所の数は?

そして本題の麹町と会計事務所の関係についてです。麹町に会計事務所はいくつあるのか?という疑問について調べてみました。その結果、この記事を書いている時点で、

麹町1丁目→28件
麹町2丁目→39件
麹町3丁目→33件
麹町4丁目→26件
麹町5丁目→15件
麹町6丁目→4件
麹町合計→145件

でした。厳密には会計事務所の数ではなく麹町で登録している税理士の数です。

1つの事務所に複数の税理士が所属していることもあるので、会計事務所の数としてはこれよりも少なくなりますが、麹町で登録している税理士が145人もいるということです。麹町の面積の狭さを考慮すると、極めて多いといえるでしょう(以下、会計事務所数145件として話を進めます)。

麹町の会計事務所の事務所密度

以上より、麹町の会計事務所の密度を考えてみると、麹町の面積は東京ドームの約7個分だったので、

145件÷7個=20件

となります。つまり東京ドーム1個の中に会計事務所が20件あるということです。これは、相当な会計事務所密度だと思います。

なぜ麹町には会計事務所が多いのか?

東京ドーム1個の中に会計事務所が20件もひしめきあっている麹町ですが、ではなぜ、麹町には会計事務所が多いのでしょうか?

会計事務所もビジネスですから、経営が成り立たなければやっていくことはできません。東京ドーム1個の中に会計事務所が20件あるということは、それでもやっていけるということに他なりません。会計事務所のお客様は事業を営む会社や個人事業主です。麹町には大企業の本社もありますし、中小企業もたくさん存在します。

少し古い資料になりますが、平成28年度の東京都の統計資料で麹町の事業所数(簡単に言うと事業を営む場所、例えば商店、事務所、営業所など)は約1,300事業所でした。事業所の数を会計事務所の数で割ってみると、

1,300事業所÷145件=8.9件→約9件

となります。つまり、これだけ麹町に会計事務所がひしめきあっていても、同じ麹町内で事業を営む事業所に限定したとしても、単純に平均すれば 9件のお客様を得ることができるということです。

さらに麹町の近隣には、大手町という多くの大企業が本社を置く巨大なビジネス街があり、それ以外にも日比谷、銀座、虎ノ門、赤坂、四谷、九段、八重洲などといったオフィス街があるので、お客様の数はさらに増えます。

東京ドーム1個の中に会計事務所が20件あっても、お客様が多数存在するので麹町の会計事務所は多くても経営が成り立つわけです。

さいごに

これで「麹町と会計事務所」の第1回は終わりです。

私自身、麹町には会計事務所が多いだろうなぁ~と何となく感じていたのですが、今回この記事の執筆にあたり調べてみて、実際に麹町には会計事務所が多いということが、よくわかりました。

次回は麹町の歴史を紐解きながら、なぜ麹町が商業地として繁栄することになったのか、を考察していきます。

なお、当事務所も麹町にありますが、麹町近辺以外で事業を営む方からのお問い合わせやご相談、顧問契約も歓迎です。オンラインでの面談やデータのやり取り等も可能です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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